社長のとりあえずこれ聴いてみ?
カマロン/カジェ・レアル
買ってみ?
[カマロン/カジェ・レアル]POLYGRAM 1983年
どうだい、この素敵なジャケットは!
グッドデザイン賞もんだよね。
でも中身はもっともっと凄い。
日曜日の朝は『カジェ・レアル』でなければ始まらないくらいに凄い。
数千はあるフラメンコのCDの中でも、フィジカルな快感度はもっとも高いのではないか。
オープニングからいきなり、カマロンは気合いの入りまくりで、あおりにあおる豪華バック陣(パコ・デ・ルシアやトマティート)のパッションを全身に受けとめて、胸のすくような疾走感でラストまでを歌いぬく。
ドラマティックな高揚感をともなうしゃがれた美声と、原野を駆けぬける豹のように敏捷で力強いリズム感はメンバーたちに即フィードバックされ、互いに相討ち覚悟で鋭く踏みこむ。
そのうねりながら躍動するアンサンブル、スタイリッシュで野性的な超絶技巧、命のよろこびが弾けるコンパス。それらが渦巻きながら高めあう灼熱のスパークに焦がれぬハートはないだろう。
カマロンは日々の生活の中に“祭り”のインスピレーションが充満していることを熟知していて、それを切りとって私たちの前に響かせることを楽しんでいるかのようだ。
ひとり引きこもる不毛や、周囲に当たり散らすヒステリックな不毛の狭間に、人間のポテンシャルの頂点を探り当てたセンスには今さらながら息を呑む。
その境地からは、人生の仕組みや幸福の本質がサクサクと見えているのではなかろうか。
それにしてもこの音楽の新鮮さはどうだ。
23年も前の録音なのに、まるでさっき出来上がったばかりみたいにピチピチ跳ねてイキがいい。
かくして輝ける日曜日は幕をあけ、聴き手たちもそれぞれの祭りに没入するのだ。
フラメンコ的快楽度
★★★★★
共に熱唱したい度
★★★★★
元気をもらえる度
★★★★★
(2006年12月18日 しゃちょ)