ついに来る......! やっと来てくれる!
2009年に『パセオ・デ・グラシア』を発表して以来、いつ日本に来てくれるのだろうと待っていたが、ようやくその時が来た。
フラメンコギタリストであり、音楽家であることを強く自覚するビセンテは、
歴史的名盤『我が心を風に解き放てば』から一貫してフラメンコの音楽的発展に寄与してきた。
強靭な技術が圧倒的であるのはもちろん、
刻々と変化する現代を生きる一人の人間であることが、後の作風からも引き続き見て取ることができる。
彼の音楽もまた刻々と表情を変えてきたからだ。
常に新しくあらんとするのはアーティストの性だろう。
新譜ではマンドリンの響きが美しい『アミーゴのボレロ』がイタリアの音楽を彷彿とさせた。
このような音楽と出会う時、さて形式は何かなと調べたくなる。
すると明記が無い。このようなところにビセンテの作品作りへの姿勢が現われているだろう。
フラメンコを透明化し、構えさせずに聴き手の心へフラメンコを届ける。
もしかしたらビセンテの願いとは、
敷居が高くなりがちなフラメンコという文化をどこの国の誰にとっても、
より身近なものへと普遍化することなのかもしれない。
どこまでも爽やかであり優しい。
繊細という言葉を音にしたように、ビセンテの音はしなやかに響く。
それでいて深みのあるギターソロが近い日に聴けることを心から楽しみにしている。
流麗なビセンテのギターは東京の夜を輝かしく彩ることだろう。
(2012年3月号パセオフラメンコより)
【チケット取り扱い】
3月16日(金)
すみだトリフォニーホール
3月18日(日)
ブルーノート東京(チケット完売)