日刊パセオフラメンコ

2018年04月24日 しゃちょ日記/蒼ざめた馬

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2018年4月24日(火)その3207◆蒼ざめた馬

永い間、アバウトな感覚だけで生きてきたことへの反動だろう。
詰将棋に近い感覚で、交渉ごとを直接会話やメールで進めるマイブーム。

5対5のギブ&テイク、もしくはウィンウィンが正解であり、
それを詰め上がりの正解とする。
勝利を正解とする将棋と、双方の幸福を正解とする世渡りとではそこが大きく違うが、
目的からの逆算で手段・行動を詰めるという点ではほとんど一緒だ。
そういう明快な方向性は、元旦から始めた「毎晩一局、藤井将棋を並べる」ことの
成果かもしれないが、意外にもマイナスは大きい。

ギブ&テイクなど鼻にもかけない独善主からの交渉を、
そりゃお話になりませんねと、こちらから一方的に話を打ち切ってしまう。
ややあってそれも驕りと怠慢だと気付き、そのアホさ加減に蒼ざめる。
そう簡単に藤井将棋には迫れない、にわか猿知恵の祟り。
二月に一回、四月に一回、馬鹿は死ななきゃ治らない。
なに様ですかいと、我が蒼ざめた馬に問う。

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2018年4月22日(日)その3206◆日帰り

驚きの12時間爆睡。
身体が生き返った感触。
指圧が効きはじめ、
眼医者や歯医者の治療も終わった。
いよいよ歯医者復活戦その第二回戦進出の勢いだ。

だがジェーは悲嘆に暮れている。
とうとう連れ合いが実家(新潟)に帰ってしまったのだ。
何時戻るか分からないが、用事済ませて今晩中には戻るとのこと。

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2018年4月21日(土)その3205◆やっぱしね

いい天気だ。
ジェーをお供に今日はパセオで原稿整理。
戻ったら買い出しと晩メシの仕込み。
PCを開くと昔懐かしいベッピンさんからメール。
読んでみると何やら怪しい物販勧誘。
おれも捨てたもんじゃねーなと一瞬ニヤけたが、
やはり、おれも捨てたもんだった。

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2018年4月20日(金)その3204◆渡部純子ソロライヴ

セクハラ記事でとっ捕まる可能性(汗

2018年4月26日(木)20時 高円寺エスペランサ
パセオフラメンコライヴVol.87
渡部 純子ソロライヴ

渡部 純子(バイレ)
栁 法枝(クラシコ エスパニョール)
ミゲル・デ・バダホス(カンテ)
ペペ・マジャ・マローテ(ギター)
三木重人(ヴァイオリン)

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 おおっ、明日は渡部純子のバイレライヴだっ! こう気づく瞬間、明朝遠足に出掛ける小学生の嬉し楽しい心持ちになる。とても美しい女性だからというのもひとつの理由だろうが、皆さんご存知の通りフラメンコというのは綺麗なだけではどうにもならないジャンルであり、八割方の理由は別にある。それは永年本場スペイン・バルセロナの老舗タブラオでトップを張ったプロフェッショナルな至芸そのもの、そしてそれらを日夜生産する柔軟にして逞しい矜持である。
「フラメンコは踊りでもないし音楽でもない、フラメンコはフラメンコ」なのだと、師である佐藤佑子、そしてエンリケ坂井の信念を継承するスタンスは、現代フラメンコシーンにあってむしろ新鮮な歓びとパワーを呼び醒ます。媚びるところの一切ない潔い男前のフラメンコは、上質なエロスと女性的な魅力に充ちあふれている。
 オンとオフの差は「ジキルとハイドです」と笑う彼女だが、何げないコミュニケーションを重視する普段の姿勢と、ステージ上で凛として輝く姿がわずかな狂いもなくまぶしく重なる。何処へでも飛んでゆける瞬発力を内蔵しながら力を抜く。本番は"ゴールキーパー"のイメージで臨むと聞き、大いに腑に落ちたものだ。
 オープニングから全身全霊で飛ばしてくる渡部のスタミナを心配するフリしながら、実は12ラウンド目いっぱい打ち合って、最終ラウンド終了間際、いつものように鮮やかにKO勝ちで飾る彼女のフラメンコをぞくぞくしながら期待してしまうおれってやっぱりサドなのかって想う。
 (月刊パセオフラメンコ2018年4月号より/小山雄二)

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昼(セルバ)☎03-3383-0246
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
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2018年4月19日(木)その3203◆基礎工事

あす金曜晩はパセオ講座『カンテフラメンコ奥の細道』。

フラメンコの使徒・エンリケ坂井師による、
しみじみと心洗われる上質レクチャー。
現代フラメンコに脈々と引き継がれる古典のインスピレーションと粋。
聴いて歌って、歌って聴いて、そのルーツの情景を味わい尽くす。

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2018/04/626_1.php#005931

「そのことはバイレ上達に関係あるのか?」
いや、関係というより、深層心理の基礎工事に近いのではないか。
おそらくは、無意識の最深部を育くみ、揺るぎない動作の品格を高める源泉。

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なんてことを前にも書いたが、同じことを書きたくなってしまう。
パセオの新人ライターしの(凌木智里)はこのレクチャーの常連なのだが、
こないだ初めて彼女のバイレ(←ストロング系)を観て、
なるほど合点がいった。

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2018年4月18日(水)その3202◆有子の楽しみ

今宵は待望の屋良有子ソロライヴ。
ほぼ一年ぶりに有子の成長・深化を楽しむ。
ギターはエミリオ、カンテはミゲル、パルマは雄輔。
パセオ忘備録はさとうみちこ、フロントは御子柴明子、雑用係はおれ。

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2018年4月17日(火)その3201◆中野たそがれ

「そっちもそーか?」
「えーーーっ、そっちもかあ」

まあ、そんなやりとりが老境の同世代というものなのだろう。
いい呑み屋を見つけたから中野まで出てこいと云うと、
現役バリバリ多忙をかき分けそのひと月後に奴はやって来た。
お互い血の気の多いほうだったから、
互いに気負いとアクの抜けたソフト化に驚き合っている。

立場の違いで三十・四十代にはよくぶつかり合った仲だが、
もともとウマが合うと云うか、根っこに近いものがある。
永い歳月が淘汰した、遠慮も建前もいらない
楽チン気ままな熱燗がしっくり沁みてくる。
なるほど、これが虚勢も装飾も要らぬ本音酒というものか。
相手や自分を鼓舞するような酒が多かったが、
ああ、もうこれでいいんだと、
寂しいような、しみじみ安堵するようなフシギな黄昏感。

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2018年4月16日(月)その3200◆強運やら悪運やら

「フラメンコに専門誌が無いなんて、おかしいだろ?」
「じゃあ、おまえが出せばいいだろ、人のせいにすんな」

1984年春、親しい音楽仲間たちとの呑み会。
愚痴を犯罪と考える連中だから言葉はきつい。
グーの音も出ない、シンプルな正論だった。
28歳、いま想えばそれが人生最大の転機だった。
グチ多き私はその日を境に、グチを止め提案する人になった。
生命保険を担保に借金をし、
とりあえずフラメンコの専門誌を三年続けることに決め、
その夏パセオを創刊した。

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パコ・デ・ルシアに代表されるフラメンコそれ自体、
とてつもないパワーを内包していることは当時から薄々感じていたが、
実際それは私の愚痴癖をピタリ止めさせた。
そのことの恩恵が強運やら悪運やらを引き寄せ、
まさかの創刊35年目を生きている。
かつての私のようにグチ多き人はたくさんいるが、
取っ組み合い覚悟で私を諌めた旧友たちに報いるべく、
相変わらずのワンパターンを押し通す。

「グチは聞かねーけど、おもろい提案なら一緒に汗かくよ」

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2018年4月15日(日)その3199◆同伴出社

土日連チャンで同伴出社。
連れ合いのスタジオがセカンドハウスなら、
パセオ編集室はサードハウス。
寝っ転がって校正してると、背中に乗っかり爆睡する。
終わったら、緑道沿いのカフェでチーズケーキのお約束。

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2018年4月14日(土)その3198◆屋良有子ソロライヴ

2018年4月18日(水)20時
パセオフラメンコライヴ Vol.86
屋良有子ライヴ

屋良有子(バイレ)
ミゲル・デ・バダホス(カンテ)
エミリオ・マジャ(ギター)
三枝雄輔(パルマ)
         
 あの目に射抜かれたいと思わない? フラメンコの世界で唯一無二の人・屋良有子。強い軸から生えたブラソは目にも留まらぬ速さで宙を切って残される軌跡、独楽のように正確なプエルタ・ケブラータ、心静かにここぞと刻むサパテアード。どんなに踊ろうが乱れぬぶれない体には、ぶれない精神が宿っている。
 有子さんの美しさは仏像に通ずるものがあると思っている。たとえれば、三十三間堂の千体千手観音立像。そっと目を開き、九百九十九体を残し抜け出して踊る。抱えているのは宇宙のありとあらゆるものに全幅の信頼を置く奉謝の気持ち。千の手には千の目があり、目は「知」の象徴と聞けば、そのオーラも納得する。
 強い眼差しは、けれど、時おりあやしく光る気がする。あやしさや色っぽさという言葉に「崇高な」という冠をかぶせたくなる数少ない人のひとりと思う。そのあやしさが、また、素敵だ。
 有子さんから、「"いま何をやってみたいか"と自問して、毎回答えを出してきました。大勢のアーティストを呼んだり、違うジャンルの音楽を取り入れたり、演出・構成を考えたり。その時の私に必要なことに挑戦してきたと思います。"ではいま何をやってみたいか"、フラメンコを踊りたい。ただただシンプルに。でも真正面から。少し怖くて、、、とっても楽しみです! ぜひ観にいらしてくださいネ」と手紙が届く。
 エミリオ、ミゲル、雄輔をバックにパセオライヴならではのギュッと詰まった70分。屋良有子の魅力に酔いたい。

 (月刊パセオフラメンコ2018年4月号より/関 範子)

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2018年4月13日(金)その3197◆親孝行

東京下町・人形町育ち、画家志望だったが当時の慣いで12歳で奉公に出た父。
生涯仕事(紳士服仕立て)とクラシック音楽を愛した内気で温厚な働き者だった。
人さまのお役に立つことが生き甲斐だった駒込育ちの母。
まぢ下手だったがTBSラジオの民謡選手権に出場し、
あれよあれよと予選を勝ち抜き度胸と愛嬌だけで優勝した。

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我がまま放題の末っ子が、親の有り難みに気づいたのは十代後半働き盛りのころだが、
どちらの長所・短所も濃淡織り交ぜながら引き継いでいることに気づいたのは
ずっとあとのこと。遺産も負債も皆無で、
目減りしない暮らしの元手(仕事好き音楽好き)だけを遺してくれた。

明日4/14、63歳。
誕生日は気重なものだが、父の享年と並べることをちょっとだけ親孝行としておこう。
明日土曜は宵からご近所でかれこれ二十年つづく連れ合い主催の残念会。
短い首を長くして留守番ジェーは折り詰めを待つ。
本日13日の金曜日、机上は編集整理の海と嵐。
とりあえず今日一日、死なない程度にがんばろう。

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2018年4月10日(火)その3196◆粋で律儀で

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明晩の石塚隆充パセオソロライブ、
ギター伴奏は石井奏碧。
で、例によってプログラムのフライング発表だが、
なんと『CANTE DE TAKA』(CD付カンテ教本の第一集)
を掲載順に十曲歌うという。
明日はその第二集の発売記念ライヴでもあるわけだが、
律儀なタカミツらしい粋なアイデアだよね。

1. Soleáres
2. Alegrías
3. Tientos
4. Bulerías de Jerez
5. Siguiriya
6. Malagueña
7. Tangos
8. Sevillanas
9. Tarantos
10.Martinete
     
座席予約は絶賛受付中!
中盤あたりから、何かが降りてくる予感!
    
2018年4月12日(木)20時
パセオフラメンコライヴVol.85
石塚隆充カンテソロライヴ
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2018年4月11日(水)その3195◆リトマス効果

重たく逞しい憂愁はマルティネーテに似ている。

心のリトマス試験紙。
バッハ無伴奏チェロにはそんな機能もある。
寝不足の今朝は、やや酸っぱく弱酸性。
ややアルカリ(苦い)っぽい、
ケラスの冷静な推進力に引っぱってもらおう。

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2018年4月10日(火)その3194◆永い目

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戒律に飽き、仕事を怠け東京中を彷徨い歩いたころ。
三年歩いて気が済んだ。
いまのバランスはあの頃の恩恵だろう。
バランスは本能に聴け、とゆーことか。

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2018年4月9日(月)その3193◆石塚隆充ライヴ

発売同時にバカ売れ中!となったタカミツ先生のカンテ教本その第二弾!
CD付で2,500円は安すぎるが、今回も普及を取りますた。
その出版記念のパセオライヴは今週木曜で、もちろんサイン会付き。
まだいい席あるのでご予約はこちらまでどーぞ(↓)。

2018年4月12日(木)20時
パセオフラメンコライヴVol.85
石塚隆充カンテソロライヴ
電話予約 ◇
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夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
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「心の核は"無"に近いです。それは僕にとって、自由と解放を意味します。無とは、いかなるものからの束縛もない状態であり、同時に、いかなるものにもなり得る状態なんです」
 フラメンコはもとより、ラテン、ジャズ、ポップスと多才に歌い、親密なライヴであろうと大劇場でのミュージカルやオペラの舞台であろうと自然体で闘い続け、その存在感を刻みつける石塚隆充。その「核」に在るものは?という問いに、彼はそう答えた。
 様々なジャンルのミュージシャンと共演を重ねてきて、石塚は自らの心境の変化に気付いたという。純粋なフラメンコを歌うときは常に厳しい「自分との勝負」である一方、他ジャンルとの共演で意識が強まってきたことは「聴き手の存在」であり、何かを感じてもらい、その感じたものを持ち帰ってほしいという願い。その祈りにも似た想いこそが、石塚の真髄であり、それは"優しさ"なのだ。何でも歌いこなせるように見えて石塚は決して器用なタイプではない。「歌うことが好き」という彼の言葉の奥には、心を無にして一曲一曲の歌に込められた想いを受け止めようとする深い懐がある。ニュートラルな状態で歌の世界に染まり、素直に解放することで、その光景は温もりを帯びて聴く者の胸に届く。
「僕のステージが、未知なる新たな音楽と出逢うきっかけになれば、こんなに幸せなことはありません」 
 真摯に歌う合間のシャイな破顔一笑を想い出す。クールなカンタオールに宿る優しさに、また触れにゆきたい。
     (パセオフラメンコ2018年4月号より~井口由美子)

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2018年4月7日(土)その3192◆先喰い

午前中に仕事を済ませて遠出のつもりだったが、
ふと思い直して整体⇒パセオコースに変更。
今年は梅はパス、桜も数時間だったので、
せっせとスケジュールを先喰いして時を作る。
藤(亀戸天神)とつつじ(根津神社)と菖蒲(小石川後楽園)がやたら恋しい。

昨晩からのお約束でジェーも出社。
午後はどっぷりカマロン特集だな。
晩メシはおめえさんが泣いて喜ぶ、おでんに炊き込みご飯。
きのう仕入れた極上アジの干物もちょっとだけあげよう!

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2018年4月6日(金)その3191◆いよいよ

「シンプルな粋」。
そこが再注目される時代はもう来ないのかと想っていたが、
どーしてどーしてすでに来ていたことを、
昨晩の新宿ガルロチのペペ・トーレスに対する、
詰めかけた関係者多数の一様の反応で知った。
技術の進化と内実の深化とが、うまく噛み合わない時期は
意外と長かったから、正直救われる気分だ。
こうした傾向はこの先三年くらいで浸透する気配がある。
フラメンコの自浄性にびっくりしている。
2020年あたりの協会新人公演で、
そうしたバランス感覚が顕著になることを予測しておこう。
昨今の国際情勢と相反するところが頼もしい。

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