日刊パセオフラメンコ

2018年10月15日 しゃちょ日記/リピートの予兆

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2018年10月15日(月)その3362◆四連チャン

歓びの四連チャン!

10/17(水)今枝友加カンテソロライヴ(ギター:エンリケ坂井)
 ※翌日はお二人のパセオ対談収録(来年3月号)
10/18(木)平富恵リサイタル『愛の賛歌』
10/19(金)エンリケ坂井『カンテフラメンコ奥の細道』
10/20(土)スペイン国立バレエ団(Aプロ)

今週はサマータイム制導入で締切を乗り切る!

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2018年10月13日(土)その3361◆天然ビーム光線

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土曜の昼下がり。
パセオでひと仕事(来年の連載原稿依頼)終え、
桃園緑道を歩いて五分のわが家に戻り
書斎で書きものをしてると、
ふと例の視線に気づく。

待ってろ、もう少しで終わるからな。

だが、天然ビーム光線は突き刺すような輝きを増す。
結局、サンダルつっかけプリンを買いに出る。
眼力ファイター圧勝の図。

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2018年10月13日(土)その3360◆事実調査

12月号締切のドタバタの中、クレームに対する事実調査のため
過去五年のパセオバックナンバーをめくってみたのだが、
先方の抗議する内容がどこにも見当たらない。
狐につままれた気分で先方にその旨をメールで二度伝えたが、
いまこれを書いてる時点で何故か返信がない。

なにか問題が起きたら犯人はこの私と推定するほうが解決は早いので、
FB上で先週起こった問題にもそういういつものスタンスで臨んでいるが、
パセオをご心配くださる方々へ、とりあえず経過報告。
こういう問題はシステム改善のいい機会にもなってくれるし、
また瓢箪から駒が出ることも多々ある。
どこにも悪意がないのなら皆前を見てサクッと解決するのが一番というのが私の考え方。

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2018年10月11日(木)その3359◆この人本物

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いやあ、凄え奴だと思った。
終演後、小一時間しゃべった。
先のことはわからないが、この人は本物だと思った。

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2018年10月10日(水)その3358◆アミューズメントホール

ヴァイオリンの鬼神パガニーニの名曲カプリス第24番。
大観衆を前にこの超絶技巧曲のギター編を弾いているのは私だ。
端正にしてメリハリある流麗さはジョン・ウィリアムスのようであり、
エンディングの速弾きをパコ・デ・ルシアのように
鮮やかに決めた瞬間ブラボーが飛び交う。

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いつまでも鳴り止まぬ喝采に違和感を感じ、
舞台から降りて客席をよくよくみれば観客の絵を描いたベニヤ板である。
鳴り止まぬ大歓声は録音であり、
また奇跡的な私の大熱演も作り物であったことに気づく。
つまりここは、プレーヤーには成れなかったおっさんなどが、
その屈託を晴らすためのアミューズメントホールというわけか。

会場を出ると、来年小学校に上がる暁子がソフトムリーム片手に待ち構えている。
父の実力を知る長女はあえて聴きに来なかったのだろう。
アコの右手にはあの懐かしいわが家の番犬が繋がれていて、
イチはぷるんぷるんに尻尾を振り回しながら飛びついてくる。

民家に突っ込みそうな見覚えのあるジェットコースターが視界に入り、
ここが当時のご近所・浅草花屋敷であることを知る。
夢はそこでぷつんと切断されるのだが、
聴覚・視覚の生々しい臨場感は今年度ピカイチ。

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2018年10月10日(水)その3357◆100回目

出来るものなら100回まではと、
馬鹿のひとつ覚えで突っ走ったパセオフラメンコライヴ。
例外を設けないシンプルなルールで観たいライヴに執着してきた。
願いが叶うまであと一歩、10/11の土方憲人ソロライヴでその第100回目を迎える。
来年は本来の月1ペース(多くて2回)に戻し、
願わくば息の音がとまるまで続けたい。もう少し増やしたいが、
現在決まっている来年のラインナップは次のとおり。

2019年
03/14 小島裕子(バイレ)
03/28 小林伴子(バイレ/パリージョ)
04/11 谷朝子(バイレ)
04/25 渡部純子(バイレ)
05/09 入交恒子(バイレ)
05/23 森田志保(バイレ)
06/27 エンリケ坂井(ギター)
07/11 鈴木千琴(バイレ)
08/08 井上圭子(バイレ)
09/12 鈴木敬子(バイレ)
09/26 ディエゴ・ゴメス(カンテ)
10/10 今枝友加(未定)
10/24 川島桂子(カンテ)
12/12 大沼由紀(バイレ)

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2018年10月7日(日)その3356◆長期戦略

バツイチ同士の再婚から二十年。
暮らしの習性はまるで異なり、
見つめる方向だけはいっしょという相性。
写真は当時の初代守護犬メリ。

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明日の晩は二代目ジェーもオッケーな店にて二十周年祝賀会。
すでにジェーはお出かけの状況を察知し準備態勢を整えている。
毎年10/8の入籍記念日は連れ合いの誕生日でもあり、
年にいっぺんで済んでしまう長期戦略はいまも生きている。

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2018年10月6日(土)その3355◆焼きうどん

バタバタと忙しく、焼き鮭とオリーブで一杯やって、晩めしは焼きうどん。
学生時代の厨房修業で覚えた賄いめしだが、手軽さや原価からすると、
これはけっこう優れもんで皆喜んで喰う。
うどん、豚コマ、キャベツだけでも充分うまいが、
今日は在庫整理で蓮根、にんじん、ほうれん草、もやしなども投入。
醤油・酒・みりん少々が今宵の味付けで、ジェーや連れ合いの注目を浴びつつ、
仕上げにふわふわのカツオ節をたっぷり。
料理は段取りだが(企画・買い出し・調理・片付け)、
二十代から段取り屋という商売を選んだ理由は、
どうやらそこらへんと無縁でもなさそうだ。

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2018年10月6日(土)その3354◆逃亡者

なにかと浮き沈みが激しいのが江戸っ子。
楽しい酒と記録的な大寝坊でこころの複雑骨折はほぼ完治、
今日からパセオ新年号と2月号に本格着手。
   
とりあえず、ジェーと新聞を相手にのらりブランチ。
近ごろは朝夕の新聞小説もやたらおもろい東京新聞。
朝湯やら晩酌やらで将棋欄とともに欠かさず読むが、
中村文則さんの新連載『逃亡者』はスタートから鬼のようなツカミで、
手に汗握る展開とはまさしくこのことだろう。
        
逃げるのも追っかけるのも、そこにはエキサイティングな人生の高揚があり、
一方では安楽に憧れるのが人間。
AI時代もそうしたシンプルな矛盾は不変であろうし、
いよいよバッハやフラメンコの出番だと、ひとり妄想に走り英気を養う。

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2018年10月2日(火)その3353◆リピートの予兆

カニサレス・フラメンコクインテット来日公演2018。
9月29日・めぐろパーシモン公演のパセオ忘備録初稿。

カニサレスが世界中からコンサートのリピート要請を受けるのは、
この日のライヴのように至福なひとときを必ず約束するギタリストだから。
そのクオリティはそれも約束事であるかのように、
毎回着実に美しさ楽しさと深さを増し続ける。

懐石料理の究極フルコースのように、それぞれ良質な素材を活かした
丁寧で手間のかかった美味しさをベースに、
全体のバランス構成に最良の采配をふるう。
素人にも玄人にも観どころ聴きどころは満載で、オールマイティな普遍がある。

今回は新たにホセ・アンヘル・カルモナ(カンテ/マンドラ/パルマ)が
加わるクインテット編成。
カンテの補強はやはり吉と出て、またパルマの増強も予想以上の成果を上げた。
ここまで極めてくると、次は重低音を厚くするコントラバス(あるいはチェロ)の
加入が渇望される。

2017年NHK交響楽団とのアランフェス協奏曲と同じく観客席はほぼ満員だが、
パコ・デ・ルシアやアントニオ・ガデスの初期の来日時と同じように
フラメンコのファン層は少ない。
新たな地平を切り拓くスーパースターの出現には慎重であり、
他ジャンルからの圧倒的支持を確認してから重たい腰を上げるのが
アフィシオナードの常だが、
それはフラメンコの伝統的美質を廃らせない理由でもあるだろう。

この世に完全無欠なアートは無いが、すでにカニサレスはその近みに在る。
休憩を含むジャスト二時間、高揚と癒やしのコントラストの積み上げは
アンコールでクライマックスに達する。
踊りならスペイン国立バレエやマリア・パヘスのように、
豊かな感性知性にあふれるフラメンコエクスタシーは、
この先フラメンコがより多大に国際貢献してゆくための
最も有力な切り口に想える。
フラメンコの伝統もそれらを歓んでバックアップする構図も視える。
終演後家路をめざす人々の明るく上気する表情には、
次回も必ずリピートするに違いない予兆がある。

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2018年10月1日(月)その3352◆引き分けとハシゴ酒

10月1日。
たいへんなラッキーがひとつ。
心が折れる大負けがひとつ。
連れ合い連れて
久々のご近所ハシゴ酒。

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2018年9月28日(金)その3351◆カニサレス東京公演

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追っかけ歴もおよそ三十年。
やはり遠足の前の晩状態になって来た。
そう、明日はカニサレス東京公演。
おやつはすでに購入済みだ(上限480円税込)。
          
今回はカンテも入るクインテット構成。
パセオ新年号で立体評(三人がせーの!で忘備録)を書くのだが、私もそのひとり。
     
カニサレスのステージというのは、
アートとエンタの境界線上にその真価(知性的本能)が発揮される。
それがソロであれアンサンブルであれ、
決してスベらない上質な快感が世界中からリピートを要請される理由であり、
マエストロには〝国際フラメンコ大使〟という異名がふさわしい。
              
パコ・デ・ルシアの後継者としてカニサレスは闘い続ける。
彼と話していると痛いほどわかる。
それは常にマエストロ自身との闘いだ。

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2018年9月28日(金)その3350◆濃密な陰影

「闇があるから光がある」
             
『蟹工船』小林多喜二の言葉だという。
時おり散策に出かける平和の森公園は、その多喜二が思想犯として
収監された中野刑務所の跡地だと、つい最近知った。

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都の西郊・中野は昔から厄介ごとを背負わされた土地柄で、
古くは五代将軍・徳川綱吉の〝お犬小屋〟を担当した。
現在のJR中野駅の南北がそのあたりで、パセオもフラメンコ協会も
我が家もその広大なお犬小屋の跡地らしい。

同じく現在の中野サンプラザは悪名高き憲兵隊大学校の跡地だし、
そのおとなり中野区役所は日本初の国営忍者養成所・陸軍中野学校の跡地である。

闇があるから光がある。
現在はのどかで肩のこらない暮らしやすい街だが、
散策中に時おり感じる濃密な陰影が、
好んで住み着いた理由であったりもする。

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2018年9月27日(木)その3349◆プログラム原稿

この秋の大沼由紀さんのリサイタル。
https://www.yuki-onuma.com/informacion.htm#V
         
プログラムへの寄稿を頼まれ、歓んでその日のうちに書いた。
江戸っ子は早いのだけが取り柄であり、
どの道もったいつけるほどの代物ではないので、
その半分くらいを例によってフライング公開。

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『追いかける理由』
        小山 雄二(月刊パセオフラメンコ編集長)


「ほら、これだけで充分じゃない?」
なんて便利!などと油断している間に、
魂を抜き去ろうとする現代文明の悪魔性。
そうした便利さの向こう岸に、ブレない存在感で
人本来の素朴で逞しい生命力を呼び醒ます預言者。
ステージで踊る大沼由紀は、生きる源点をフラメンコ経由でしなやかに差し出す。

ひと昔前、凄い凄いと玄人筋がこぞって太鼓判を押す
謎のカリスマバイラオーラの舞台に初めて触れた衝撃はいまも忘れ難い。
多くのプロ舞踊手たちが詰め掛けギラリ静まりかえる開演待ちの客席上空には、
何かを予感させる黒いテンションが充満していた。
そして大沼由紀登場と同時に魔はやって来た。
鋭い痛みをともなうカタルシスを客席に残し、やがて魔は去った。

以来私は大沼由紀の追っかけとなった。
だから例えばスペインの超一流どころの公演と
彼女の舞台が重なる場合なども、迷わず由紀さんの舞台に駆けつける。
なぜ私は彼女を追いかけ続けるのだろう?
そのこととフラメンコの専門誌を毎月出し続ける理由が、
多く重複することに気づくのはずっと後のことだ。

好き嫌いを超え、真理を予感させる
魅力的なエネルギーには強烈無比な引力がある。
誰しもそんな存在を心に抱くものだが、
私の心にもグレン・グールドのピアノバッハや、
将棋の羽生善治永世七冠のアルテと同様な位置づけで
大沼由紀のフラメンコは棲んでいる。

すでに国際舞台で活躍できるクオリティの舞踊家だが、
だからと云って彼女のすべての舞台に歓んで共鳴するわけではない。
彼女がフラメンコから大きく離れて独創表現に走る時、
頼むからフラメンコに戻ってくれよと叫びたくなることもある
・・・(当日配布のプログラムにつづく)

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2018年9月26日(水)その3348◆当たり前の奇跡

吹く風は秋、待ち望んだこの爽快感。
         
その感謝の気持ちは、慣れとともに薄れてゆく。
一方、春と秋が好きなのは、夏と冬があるからだと分かる。
春夏秋冬というのは、実に素晴らしくバランスされている。
自然界のこういう当たり前は、親子の愛のように、
むしろ奇跡のようにも想えてくる。

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2018年9月25日(火)その3347◆便利なものは

自宅のネットが復旧。
家でも仕事ができるし、
やはり便利は便利だ。
ふと、あの名言を想い出す。

「便利はものはみーんな悪魔」

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2018年9月23日(日)その3346◆ルネッサンス

ネットで偶然発見。

高円寺に、なんともうひとつの名曲喫茶〝ルネッサンス〟。
先週行った〝ネルケン〟はエスペランサの北東1分にあるが、
ここルネッサンスもエスペランサから南東に2分という近さ。
わずか200メーターの距離に〝フラメンコの虎の穴〟を
はさんで絶滅種とも云うべきクラシックの名曲喫茶が二店。
都会の鉄道沿線にひとつあるかどうかの時代、
高円寺という街の懐の深さを改めて知る。

暗い照明、凝りに凝ったインテリア、まずい珈琲、無愛想、私語禁止
という名曲喫茶の五大特典は昔も今も変わらない。
ルネッサンスでの初聴きはシューマンのピアノ協奏曲。
リリシズムの極致とも云うべき高音域のきらめきは、
おそらくはラドゥ・ルプーのピアノ。
続いてブルッフのヴァイオリン協奏曲。
端正なリズムのキープしながら超美音で際どく歌うヴァイオリンは、
こちらは確実にアルテュール・グリューミオ。
コテコテの名曲名盤は逆に新鮮。

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程よい音響でのんびり小一時間聴いてたら、
空っぽのよれよれ古電池がフル充電された感じ。
懐かしいだけではない古典エネルギー補給館。
車で帰ろうと思ってたが、桃園緑道30分の家路を歩く。
勢い余って途中の緑道脇のパセオ編集部でメールチェックと原稿整理。
5時半には帰って、きかんしゃトーマス&笑点の定番コース。
晩めしはジェーの熱いリクエストで早朝から仕込んだスペアリブおでん。
わ~い、ほんとはおれもおでん喰いてーんだよ。

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